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古いものが好きです。
鉄や木、ガラス、陶器、布地、紙、長い年月を経たものには、独特の風合いがあります。それを、経年劣化という言い方をする人もいますし、経年変化という言い方をする人もいます。
日本においては徒然草などに古くなった冊子を味わい深いとする記述があるそうです。古いものには、ものの内側から滲み出てくるような独特の風合いがあります。
アンティーク、骨董と呼ばれるようなものたちに比べれば、洋服(衣類ではない)の歴史は浅いものでしょう。
大量生産、大量消費になる以前のプロダクツには、味があります。自然に存在する材料を用い、道具であれば、その強度を高める為の多くの工夫が施され、道具としての衣類(ワークウエア)も然りです。
第二次世界大戦後のアメリカは豊かさを享受し他人と違うものを競って身につけるようになり、今では考えられないような手の凝った衣類たちが生み出されました。
やがて、人々は豊かさ便利さばかりを求め、気がつくと味気のない消耗品としての衣類ばかりになってしまいました。当然の流れと言えるでしょう。大きな流れには抗うことも出来ませんが、ほんの少しだけでも波立たせてみたい、そんな気持ちで、100年後とは言いません、5年後10年後に、内側から滲みでてくる”良さ”を持ち合わせた洋服の提案をしていければ、という思いで服作りしているつもりです。

TOPAZ代表 遠藤